NASDAQ 100のパフォーマンスとS&P500の差異。NVIDIAの影響

「なぜNasdaq 100のパフォーマンスが高いのか」を整理します。

 

こちらでは、S&P500との違いを確認します。

 

前提として、米国の株式のパフォーマンスが高いので、私は主力投資先は米国にしているのですが、米国市場内でのこれらのIndexの比較を行うことを意図しています。

 

1,NASDAQ100S&P500とは

 

NASDAQ 100は、NASDAQに上場する、金融銘柄を除く、時価総額上位100銘柄の時価総額加重平均によって算出される株価指数

 

一方で、

S&P500は、ニューヨーク証券取引所NASDAQ等に上場している時価総額上位500社の米国企業を選出し、その銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数

 

相違点をまとめると以下の通り。

 

 

NASDAQ100

S&P500

株式市場

NASDAQのみ

米国の市場

NYSENASDAQ

構成

企業数

上位100

上位500

セクター

金融を除く

金融を含む

 

 

2 パフォーマンス差異

 

ご存知の通り、長期のパフォーマンスでは、NASDAQ100は、S&P500より収益性が高い。

 

下のグラフの通り、2008年、2022年のような大きな下落タイミングでは、NASDAQの方が下落するが、その翌年には大きく取り戻し、長期で見ると収益性はNASDAQ100が高かったのが過去の実績。

 

過去の実績は将来の予測には使えませんが、何が原因であったのかを考えることは、今後の投資に活かせると思います。

 

出典:Nasdaqのサイトから引用。

 

 

3,指数のセクターウェイトの相違(=パフォーマンスの差異の源泉)

 

NASDAQ 100S&P500では、セクター比率が大きく違います。

 

ココが、パフォーマンスの差を大きくしました。

 

NASDAQは、IT関連への 55%S&Pの2倍以上のウェイト。

 

出典:Nasdaqのサイトから引用。

 

各セクターのパフォーマンスを比べてみると、以下の通り。

 

Sector

Weight

YTD 

1-year 

5-year 

10-year 

S&P 500 

100.00%

10.77%

23.38%

91.98%

174.47%

Communication Services

9.3%

21.00%

39.56%

88.97%

85.65%

Consumer Discretionary

9.9%

0.52%

16.00%

62.26%

173.31%

Consumer Staples

6.0%

8.12%

7.46%

44.61%

78.94%

Energy

3.9%

7.75%

12.98%

59.60%

-0.31%

Financials

12.9%

9.70%

26.29%

59.56%

128.59%

Health Care

12.0%

5.84%

11.01%

67.15%

143.45%

Industrials

8.2%

6.76%

20.93%

70.30%

120.63%

Information Technology

30.6%

18.08%

35.98%

218.71%

549.75%

Materials

2.3%

5.96%

15.99%

73.62%

84.35%

Real Estate

2.2%

-5.73%

2.87%

5.37%

--

Utilities

2.5%

12.71%

10.38%

23.43%

68.16%

 

出典: https://digital.fidelity.com/prgw/digital/research/sector より作成

 

 

結局、過去10年間でS&Pをけん引しているのは、ITセクター(Information Technology)と一般消費財セクター(Consumer Discretionary)の2セクター。ITセクターはMicrosoftApple、一般消費税セクターでは、Amazon、Home Deposが主要銘柄。

 

つまり、ITセクターの比率の高さが、NASDAQ100がS&P500のパフォーマンスを凌駕した理由。

 

さらに、ITセクター内を見てみると今は、半導体および半導体製造機器が圧倒的。

直近は、NVIDIAの貢献が大きいだろうな・・・。

 

Industries

YTD 

1-year 

5-year 

10-year 

Information Technology

18.08%

35.98%

218.71%

549.75%

Communications Equipment

2.88%

11.79%

28.18%

111.00%

Electronic Equipment, Instruments & Components

8.60%

21.71%

79.22%

164.39%

IT Services

-12.64%

1.76%

30.88%

162.02%

Semiconductor & Semiconductor Equipment

58.97%

97.62%

490.46%

1034.47%

Software

4.24%

20.46%

182.86%

641.61%

Technology Hardware, Storage & Peripherals

0.73%

7.48%

313.25%

631.56%

 

出典: https://digital.fidelity.com/prgw/digital/research/sector より作成

 

 

 

結局、見てきた通り、ITセクタが成長し、その恩恵を最も受けている指数のひとつがNASDAQ 100ということかと思います。

 

それにしても、改めて思うのですが個別株は難しい。

最近、成長著しいNVIDIAが「AI時代の寵児」になるとは、まったく思っていなかった。

 

NVIDIAと言えば、PCやゲーム用のビデオチップ、デジタル通貨のマイニング用チップのを作る会社という地味な印象だったのですが、大化けしました。 もちろん保有しておりません。

 

インテルDELL、古くはIBM時代の寵児の座を降りる中で、誰がMicrosoftのように生き残るのか、Appleのように復活してくるか、NVIDIAのように主役として登場するのかなんてわからない。

 

という訳で、個別株を当てるのは諦めて、NASDAQ100を保有しておきます。

 

NASDAQ100には、NVIDIAも入っているからね(笑)

 

その意味では、過去のパフォーマンスが最も高いITセクターだけ買っておくのは、ありかもしれない。もっと言うと、ITの中でも、一番高いパフォーマンスのSOX連動。

 

まあ、今一番パフォーマンスが高いNVIDIAがいる場所なので、いまから投資すると「後追い感」が満載です。 >>> やめておきます。